東京都に続き川崎市も新築住宅の太陽光設置義務化!


 神奈川県の川崎市は2023年3月に「川崎市地球温暖化対策推進条例」を改正し、新築住宅等に太陽光発電システムの設置を義務付け2025年4月の施行を予定しています。
 国は第6次エネルギー基本計画で「20230年に新築住宅の6割に太陽光発電設備が設置されていることを目指す」方針を掲げており、川崎市はこれを整合的な水準とするようです。
「川崎市地球温暖化対策推進条例」
 川崎市は2050年までに新規導入可能な再エネの約99%が太陽光発電設備と想定していて、義務化することにより導入をさらに強力に推進したい意向です。
 設置義務があるのは東京都と同様、特定建築事業者(大手ハウスメーカーなど)で、東京都の場合年間供給延べ床面積が2万㎡以上ですが、川崎市の場合は「一定量」となっています。この一定量の具体的数値についてはまだ未定ですが、年間供給量5,000㎡以上が例示されています。対象になる建築物については延べ床面積2,000㎡未満の新築建物となっています。義務化の対象が特定建築事業者であることから、この制度の正式名称は「特定建築事業者太陽光発電設備導入制度」となっています。
 総括的には東京都の制度と比較するとかなりシンプルな印象です。
 あくまで素案ですが、一棟当たりの基準量は2kWとして、基準率は70%。個々の建物でなく全体として基準量の達成ができれば良いことになりますので、例えば100棟のうち45棟が設置をしなくても2kWの住宅が40棟、4kW設置する住宅が15棟あれば達成できると試算しています。
 また施主に対して太陽光設置の提案を行なうことが重要とみて、建築士による太陽光発電の設置に関する説明を義務付け、こちらは2024年4月から施行するとしています。
 その他にも様々な形で普及を進めるための制度を導入する予定で、すでに国が始めている「改正建築物省エネ法」(建物の省エネ性能について建築士から建築主への説明を義務付ける制度)だけでなく、市民向け、事業者向けの支援制度をこの秋にもリリースする予定とのことです。

 国は国策として太陽光発電の目標割合を全エネルギーの14~16%程度まで引き上げました。今後は川崎市のような施策を打ち出す自治体が増えていくことが予想されています。
 
 ※JPMAでは2019年度より神奈川県の「みんなのおうちに太陽光」キャンペーンの検査事業を請け負っています。