皆さんこんにちは、JPMA 太陽光発電安全保安協会です。
今回は、Part3までお届けしていた内容とは趣向を変えて、
「太陽光発電メンテナンス技士」の方から届いた写真と報告を元に、
対処方法について分かりやすく解説していきます。
「太陽光発電メンテナンス技士」の資格については、
HPで詳しくご紹介しておりますのでぜひ一度ご覧ください!
まず一つ目は、太陽光設備アレイの沈下についてです。
原因として考えられるのは「架台の沈み込み」。
架台の下の地盤が、大きくえぐれてしまっています。
また、他の箇所を確認してみても同じような陥没が起こっていました。
なぜこのような状況になってしまったのでしょうか?
理由として考えられるのは
・土地の乾燥
・地下水の変動
・地下空洞
です。
元々柔らかい地盤であったり、また飽和粘性土と言われる地盤であった場合
土自体に水分を多く含んでいることが予測できます。
その水分が蒸発し、乾燥した時に土地は収縮。地盤沈下に結びつくこともあります。
また、土地の下に流れている・溜まっている地下水が
何らかの影響で変動した場合や、
雨水が地層に溜まり、柔らかい土が流れ出してしまうことで
地盤の空洞化、ひいては地盤沈下を引き起こす可能性もあります。
当然のことながら、このような場合には早急な対処が必要になります。
そして、重要になるのが設備を設置する前の「地盤調査」です。
ここを怠ると、後々に大きなトラブルを引き起こす原因になります。
設置前にきちんと調査し、軟弱地盤だと判明した際には
処置を行ったうえで設置作業に移行することが大切です。
では、今回の写真のような沈下にはどのような対処を行うべきなのでしょうか?
対応として考えられるのは、「表層改良」です。
表層改良とは、土の表面にセメントを混ぜ込んで地盤を固める方法です。
この方法を行うことで、これ以上沈下しないように抑えることが可能です。
比較的コストが抑えられるため、ぜひおすすめしたい手法ですが、
施工する職人・会社によって強度が変わりやすいという側面もあるため
信頼できる施工会社に依頼することが大切です。
次の写真は、ケーブルの損傷です。
今回の設置場所は屋根の上で、横向きのガルバリウム鋼板ですが、
少し複雑な組み合わせで設置されています。
一部分が突起状になっているのですが、その部分に風などにあおられたケーブルが
当たることによって、損傷してしまったと考えられます。
これ以上損傷が進んでしまうと、電線がむき出しになりショートしてしまい
火災につながる危険性があるため早急な対処が必要です。
対処方法として行うべきことは、まず絶縁テープでの補修です。
補修したケーブルは電線管に通して、つかみ金具で屋根に固定します。
そうすることで損傷することがなくなり、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
最後の不具合は、PCSモニター部分の割れです。
モニター画面のアクリル部分が割れてしまっている事例です。
表示内容が見にくいことはもちろんのこと、割れてしまっている部分から
雨水等が入ると、危険な状態になります。
対処方法ですが、最も適切なものはアクリル部分自体を交換することです。
メーカーに問い合わせると交換してもらえるケースが多いので、
まずは関連部署へ連絡することが大切です。
また、外側のカバーを交換することも有効です。
いかがでしたでしょうか?
太陽光設備では実に多様な不具合・トラブルが発生します。
その中で大切なのは、未来を予想して迅速かつ適切な対処を行うこと。
少しでも参考になるよう、今後も様々な不具合事例をご紹介していきますので
ぜひYouTubeチャンネル登録、LINE公式アカウントのご登録を
よろしくお願いいたします!
それではまた次回お会いいたしましょう!