2024年度の再エネ賦課金単価公表(2024.3.28更新)


 ★ 2024年度の再エネ賦課金単価公表

 FIT制度で発電事業者に支払われる買取(調達)価格の原資は、「再生可能エネルギー促進賦課金」という名目で、我々電気の需要家が毎月電気料金に上乗せされて支払っているのは皆さんもご存じだと思います。これは使った電気の分に毎年その前年度に決定された賦課金単価が掛け算されている訳ですが、この賦課金単価、2023年度は初めて下がりました。
 これは「回避可能費用(電力会社が再生可能エネルギーを買い取ることにより、本来予定していた発電を取りやめることによって、支出を免れることが出来た費用)」を適用することで下がったのですが、2024年度は、また上がってしまうことになりました。
[賦課金単価計算式]
(①買取費用 ― ②回避可能費用+電力広域的運営推進機関事務費用)÷販売電力量 

 しかし、2024年3月19日に発表された2024年度の再エネ賦課金単価は大きく上がり、過去最高の『3.49円』となりました(下表参照=2022年度までは標準的家庭の電気使用量は300kWh/月、2023年度からは同じく400kWh/月で計算しています)。

 再エネの買取価格は市場で売却される価格よりも高いため、市場価格と売電価格との差額を再エネ賦課金で埋めていることになりますが、2022年ロシアのウクライナ侵攻によって燃料の市場価格が急騰したことによって生じた差額を再エネ電気を高い価格で市場で売ることで回避していました。そのため回避可能費用が適用され2023年度の賦課金単価は下がりました。
 しかし2023年は市場取引価格の平均が大分下がってきたために、再度再エネ賦課金による補填額が増える、ということが起こったため賦課金の単価を上げざるを得なくなってしまいました。
 新賦課金単価は2024年5月分の電気料金から反映されます。

<参考:東京電力ホームページ https://www.tepco.co.jp/ep/notice/news/2024/1667255_8912.html>